「だっておかしいだろ? 何回も何回も会うなんて。しかもお前は、なんかしらのトラブルを抱えてやがるし」

「た……たまたま、じゃないでしょうか」

「たまたま? 本当かよ」

 たまたまとは到底思えないんだけどな、俺は。

「お前やっぱり、疫病神だろ。お前がいると、不吉な予感しかしねえ。 今度お祓いでもしてこい」

「はあ? ひどいんですけど……!」

「お前には、引き寄せる何かがありすぎるだろ」

 俺がそう言うと、澪奈は「でも、いつも私のこと助けてくれますよね?」と俺に聞き返してくる。

「はあ? それは刑事だからに決まってるだろうが」

「……ですよね」

 そんな澪奈に向かって、俺は「なんだ。残念そうな顔してるな」と言った。

「えっ……!?」

 なんだ? まさか……図星か?

「冗談だ。……ほら、飲んだなら行くぞ」

 俺が立ち上がった瞬間、澪奈は「……ま、待ってください」と俺の服を掴んだ。

「おい、なんだよ?」

「刑事さん、私……」

 なんだ……?

「おい、どうした?」

 澪奈は俺に向かって、「私……刑事さんといると、心が変になりそうです」と言ってきた。

「は……?」

「私、あなたといると……なんか、変なんです」

 変……とはなんだ?

「訳が分からないな。何を言ってんだ」

「だから……」

「……おい。なんなんだよ、さっきから」