「お前、また俺の前に現れやがったな」
と言うと、澪奈は「……なんで、ここに?」と俺に聞く。
「たまたま近くにいたんだよ。そしたらお前がいた。 それだけだ」
そう答えた後、澪奈を見て「ケガはねえみたいだな」と澪奈を見る。
「はい。……ありがとうございました」
全く。毎度毎度、コイツは事件を呼び寄せるな。
「しかし、本当にお前とはよく会うな」
俺はそう言って、澪奈の頭にぽんと手を乗せた。
「ったく……無茶しやがって。ケガでもしたら、どうするつもりだったんだよ」
「……すみません」
でも俺がいて、良かったな澪奈。と思ったのも事実ではある。
俺はなぜか、澪奈のことがその時から妙に気になってしまって、もう少し一緒にいたいと思ってしまった。
なんでそんなことを思うのか、俺にも分からなかった。 でも俺は「ちょっとコーヒーが飲みたい。 助けたお礼に奢れ」と澪奈に言った。
澪奈は「た、助けたお礼……!?」と驚いている。
「あのな、俺は今日非番なんだよ。仕事じゃねえのにお前を助けてやったんだ。 お礼くらいしろ」
「え……!? あ、ちょっと!?」
俺にそう言われて拒否できなかったのか、澪奈は素直に俺にコーヒーを奢った。
近くの公園のベンチに座って二人でコーヒーを飲んでいると、なんか妙に変な気持ちになる。