今日は美味しいハンバーグのお店に来ていたのだが、また電話らしい。

「悪い。待たせたな」

「ううん。大丈夫だった?」

 電話から戻ってきた秋文さんは、「大丈夫だ。今日はずっと澪奈と一緒にいるって決めてるから、気にするな」と優しく言ってくれる。

「……うん、ありがとう」

 秋文さんは優しい気がしている。でも私に遠慮しているなら、ちょっと申し訳ない気もする。




「ありがとうございました」 

 美味しいディナーを楽しんだ私たちは、お店を出て再び歩き始める。

「美味しかったね」
 
「ああ、美味かったな」
 
 ハンバーグのお肉はジューシーで、お肉の味がしっかりとしていて美味しかった。
 シンプルな味付けだったけど、とても美味しいハンバーグだった。

「秋文さん」

「なんだ?」

 私は秋文さんに「本当に、行かなくて良かったの? 事件、だったんでしょ」と問いかける。

「ああ、大丈夫だよ。俺がいなくてもアイツらはやれるし」

「そっか。……部下のこと、信頼してるんだ」

 私がそう伝えると、秋文さんは「部下を信頼出来なきゃ、俺は上司失格だしな」だと笑いながら言った。

「……だね。秋文さんの部下は、みんないい人たちなんだね、きっと」

「そうだな。俺が信頼してる部下だからな」

 さすが、秋文さんだ。出来る上司って感じがする。