「刑事さん、私……あなたのことが……」
私は刑事さんに、「あなたのことが……好きです」と、想いを伝えた。
「……ん？」
「好き……に、なっちゃったんです。刑事さん、あなたのことが」
私は刑事さんの無愛想な所とか、時々優しい所とか、ピンチの時いつも助けてくれる所とかに、いつの間にか惹かれていたのかもしれない。
「お前……」
「こんなこと……言ったら困るのは、分かっていたんですけど。……でも、言いたくて。すみません」
私は掴んでいたその手を離し、彼に背を向けた。 なのに彼は、私のその腕をまた掴んだのだった。
「……え？」
すると刑事さんは、私の身体をぐっと引き寄せて顔を近づける。
そしてそのまま、いつの間にかキスをされていたーーー。
「っ……え？ なんで……？」
「……俺にも、分からない。無意識だった」
「え……だって、今……キス、しましたよね？」
突然のことにビックリして、目を閉じることも出来なかった。
「なんでしてしまったか、俺もよく分からないんだ。……俺も無意識だったんだよ、今」
む、無意識でキス……。いや、嬉しいけど。
「む、無意識でキス……するんですか？」
私がそう聞くと、刑事さんは「……本当に悪かった」と私に謝ってきた。
「謝らないでください。……嬉しかった、です」
