「刑事さん、私……」

「おい、どうした?」

 さっきから私、どうかしている。なんかすごく、心がザワザワしている。
 どうして……なのだろうか。

「私……刑事さんといると、心が変になりそうです」

「は……?」

 訳が分からない、というような顔をしてい刑事さんに対して、私は「私、あなたといると……なんか、変なんです」と言ってしまう。

「訳が分からないな。何を言ってんだ」

「だから……」

 私は刑事さんの身体をぐっと引き寄せて、刑事さんを見つめる。

「……おい。なんなんだよ、さっきから」

 困っているような顔をする刑事さんに、私は「さっき、あの人たちから助けてくれた時……本当はすごく嬉しかったです」と伝える。

「刑事さん……なんでいつも、私の前に現れるんですか? どうして?」

「どうしてって……それはこっちが聞きたいくらいだ」

 多分これは……結香の言うように、運命なのかもしれない。
 私は今日、それを確信したような気がした。

「刑事さんは……運命って、信じますか?」

「は? う、運命……?」

「私は……信じます。その運命を」

 その時私は、刑事さんに対して特別な想いがあるんだということに気付いてしまった。

「おい……さっきから、なんなんだお前は。おかしいぞ」

 私は……刑事さんのことが……。