殴られる……! そう思ったその時だった。

「おい。女一人に男二人とは、卑怯な真似するじゃねえか」

 誰かが、私を助けてくれたみたいだった。

「え……?」

 誰……? そう思ってその人の顔を見ると……。

「あ?なんだ、お前?」

「邪魔すんなよ!」

 え? 刑事……さん?

 またあの、刑事さんだった。 

「俺か? 俺ば警察゙だ」

 刑事さんがそう言うと、男たちは「け、警察……!?」と驚いたような表情を見せた。

「お前ら、暴行未遂で現行犯逮捕、されてえのか?」

「あ、いや……」

「現行犯逮捕されたくなきゃ、さっさとコイツの前から消えやがれ!」

 刑事さんがそう言うと、男たちは「す、すみませんでした!」と足早に去って行った。

「おい、大丈夫か?」

「あ……ありがとう、ございました」

 また刑事さんに、助けられてしまった……。 助けられたのは、これで何度目だろうか。

「お前、また俺の前に現れやがったな」

「……なんで、ここに?」

「たまたま近くにいたんだよ。そしたらお前がいた。 それだけだ」

 刑事さんは私に「しかし、本当にお前とはよく会うな」と言って、また頭にぽんと手を乗せた。

「ったく……無茶しやがって。ケガでもしたら、どうするつもりだったんだよ」

「……すみません」

 刑事さんが来てくれなかったら、今頃私……。