俺は海へ繰り出した。朝から行った。半袖にズボン姿。リュックを背負った。堤防を上り、砂浜に降りた。天気は悪く、誰もいなかった。海は穏やかだった。
 海の家があった。どうやらやっているようだった。若い女性の店員が独りいた。暇そうにしていた。俺はその海の家の前の砂浜にたたずんでいた。すると、雨がぽつぽつ降り始めた。
 「雨か」と俺は思った。憂鬱な気持ちがさらに増す。