「うん。私も、そう思っていたよ。 だけど、こういう女だったみたい。 ───これこそが、直和と付き合って『変わった私』なんだ。 だから、ね? いいよね、このままで」 ───強引に静に、押しきられた。 最悪だ。 こういうのを“身から出た錆(さび)”って、いうんだろーか……。 静を送る車中、他愛もない会話を交わしつつ、そんなことを思った。 「───はい、到着。お疲れ」