そうして俺は彼女と一緒に、親父の事務所で缶チューハイを()んでいるわけだ。

車の中で話された涙のワケは、十年来の親友とのことで。

……俺にいわせれば、泣くほどのことではないように思えた。

「──彼女、私のこと、変わったっていうの。

別れた男と、こんな風に付き合ってることを肯定しまう、そういう考え方をね。

それも、なじるような言い方じゃなくて……でも、なんだか見放されたって気がして……。