そのあと何回か、静と二人だけで会った。

特に、どこへ行くではなく──たいがいカラオケで──最後にキスして、その先も……みたいな展開で。

俺は、それを『浮気』だとは、考えてなかった。

自分でもよく解らない熱病に、侵されている感じだった。





そんなある日。
仕事あがりに食事しよう、と、朋美に誘われた。

朋美の方は、すっかりほったらかしの俺だったが、周囲は俺たちのことを『公認』していて。

普段あまり関わりのない、精肉部や鮮魚部のおばちゃん達にも、からかわれるほどだった。