笑って俺をたしなめる静の口調は、付き合ってた当時そのままで。

……俺は、なんだか無性にせつなくなった。

ふとした、沈黙。
静が、ぽつりと言った。

「なんか、こういうのって……せつないね」

俺の心中をズバリ言い当てられたような気がして、急に心臓がバクバクと音を立てた。

静は、なんで今日、俺に連絡をとってきたんだろう?

どうして、付き合ってた頃と同じように、優しい声で話すんだろう?

考えだすとよけいに息苦しくなって、俺は思わず言ってしまった。

今度、どこかで会わないかって───。