「なんでって、理由はわかってるだろ。会社に迷惑をかけるような女と、交際なんて続けられるかよ」

 美璃が呟いた言葉に、冬治は眉を寄せ、顔を歪めた。

 吐き捨てるように言ってくる。

 どくん、と美璃の心臓が冷たく鳴った。

 思い当たるふしはあったからだ。

 つい三日ほど前に起こった出来事。

 それを指しているのは明白だった。

 だけど……。

「た……確かにヘンな話は出たけど……、身に覚えがないよ! 私はそんなことしてない!」

 なんとか答えた。

 身の潔白を証明したい、という悲痛な声になった。

 そう、冬治の指摘したようなことを、三日前に上司から言われたのだ。