「えっ!? これも!?」

 見るからに値の張りそうなそれに、美璃はさらに動揺したのに、颯士はやはり当たり前のように言う。

「そりゃあそうだ。ドレスにアクセサリー無しというのはないだろう?」

(確かにそうだけど!)

 またしても胸の中で美璃が絶叫しているうちに、店員によって「失礼いたします」と、アクセサリーは装着されてしまった。

 短めのネックレスはピンクの石が嵌まっている。

 お揃いらしいデザインのイヤリングは、小ぶりで上品な印象。

 髪飾りは当てるだけだったが、ゴールドのリボンをベースに、スワロフスキーのようなキラキラしたパーツが所々に配置されていた。

 最後に出されたのは、小ぶりのパーティーバッグとハイヒール。

 両方落ち着いたゴールドがベースで、美璃はあたふたしながら身に着けた。

「うん。もっと素敵になった」

 すべて装着して、支度は完璧に出来上がる。

 姿見に全身を映した美璃の肩を、後ろから颯士がそっと抱いてきた。

 美璃本人はもう、目を丸くするしかなかったのに。

 姿見に映る自分は、まるで別人のようだった。

 これほどドレスアップをしたことは、今までにない。

 目いっぱい着飾った姉の結婚式でさえ、ここまでのものではなかった。