カーテンが閉められて、美璃はドレスを見下ろした。

 マカロンピンクのドレスは半袖。

 ウエストは編み上げ、後ろにはリボンがついている。

 スカート丈はやや長めだが、あとで少し詰めようという話になっていた。

 上に羽織る、白いボレロもある。

(……なんか、思ったより大ごとになりそうでは?)

 ここまで来てもまだ信じられない気持ちながら、美璃は服を脱ぎ、ドレスを着ていった。

 ドレスはやわらかな生地で、肌に吸い付くように馴染む。

 質の良さが、着ただけで実感できた。

(ちなみにおいくらくらい……)

 一人なのを幸いに、怖いもの見たさで値札を探ったのだけど、なぜかどこにもついていなかった。

(……逆に怖い)

 きっと値札をつけないほどの品質とお値段なのだ。

 察して、美璃はまたくらっとしてしまった。

 それでもきちんと着られたので、おずおずと外に出る。