数秒後、中から「はーい」とひとの声がした。

 玄関へ向かって歩くような音も聞こえる。

 ああ、良かった、迎えてもらえる。

 とにかくお姉ちゃんに聞いてもらおう……。

 美璃の胸に安堵が溢れた。

「美璃です」

 かすれた声ながら、中には届くくらいの声をなんとか出し、名乗る。

 それで了解されたようだ。

 チェーンを外す音がして、ドアがガチャッと開いた。

 中の照明が溢れて、その明るさは美璃の胸を刺激した。

 良かった、ここなら安心。

 私を受け止めてくれるひとがいる……。

 安堵は美璃の体を突き動かした。

「はい、……っ!?」

 ドアを開けてくれたひとに、胸の中の熱いものはぶわりと弾け、美璃は体当たりするようにそのひとへ身を寄せていた。

「お姉ちゃぁん……! 聞いてよぅ……!」