「それに彼氏、あ、元……カレと別れたのは……変わらない……し……」
もうひとつの理由を口に出した。
しかしその途端、喉の奥から、ぐっと熱いものが込み上げる。
現実を口に出して説明したことで、もう落ち着けたはずの苦しい気持ちは簡単に復活した。
じわっと目元に熱いものが滲む。
「す、すみません。大義兄さんにこんな話……」
慌てて目元を拭う。
そこでやっと、夕方から散々泣いたことで、メイクも崩れていたのだと気付いて、また気まずくなった。
「いや。……良かったら、少しドライブしてかない?」
颯士は軽く否定した。
次に続いたのは、慰めの言葉ではなく、提案。
美璃は目をぱちくりさせてしまった。
てっきり「大丈夫だよ」とか「なんとかなるさ」とか言われると思っていたのだ。
それが、まったく違う提案を。
不思議に思った美璃に、颯士が視線を向けてきた。
気付ければ信号でちょうど停止していたところだ。
「少しは気がまぎれるかもしれないよ」
夜景のわずかな明かりに照らされた顔は、とても優しく、綺麗だった。
美璃を数秒、ぽうっと見とれさせてしまう魅力を持っている。
もうひとつの理由を口に出した。
しかしその途端、喉の奥から、ぐっと熱いものが込み上げる。
現実を口に出して説明したことで、もう落ち着けたはずの苦しい気持ちは簡単に復活した。
じわっと目元に熱いものが滲む。
「す、すみません。大義兄さんにこんな話……」
慌てて目元を拭う。
そこでやっと、夕方から散々泣いたことで、メイクも崩れていたのだと気付いて、また気まずくなった。
「いや。……良かったら、少しドライブしてかない?」
颯士は軽く否定した。
次に続いたのは、慰めの言葉ではなく、提案。
美璃は目をぱちくりさせてしまった。
てっきり「大丈夫だよ」とか「なんとかなるさ」とか言われると思っていたのだ。
それが、まったく違う提案を。
不思議に思った美璃に、颯士が視線を向けてきた。
気付ければ信号でちょうど停止していたところだ。
「少しは気がまぎれるかもしれないよ」
夜景のわずかな明かりに照らされた顔は、とても優しく、綺麗だった。
美璃を数秒、ぽうっと見とれさせてしまう魅力を持っている。