康二さんはベッドにいて、下着姿の女性と絡みあっていたのだ。

「康二さん……!?」

上擦った私の声に、彼に腕を回していた女が振り向く。
蛇のようにほっそりし、キレイめ風、男性に第一印象で好かれそうなタイプの見た目をした女性……

「きゃあ! 神山さんじゃない。もう、急に康二くんの部屋に入ってくるぅ? インターフォンくらい鳴らしなさいよ、行儀のなってない人ねぇ」

シーツを体に巻き付けながら、彼女の私をなじってきた女。
彼女は、まさに今日私を嘆かせた研究を盗んだ同僚、世田未小夜(せたみさよ)、当人だった。

なんなの? ほんとうになんなのこの人!?
研究だけじゃなく、他人の、彼氏まで? ありえる? 
そんな何もかもって、こうまで重なってって……嘘みたい、悪夢。

「あ、あなたっ! 世田さん!? なんで康二さんと!? 康二さん! どういうこと!?」
「帆夏……っ」