次にわたくしがとった行動は、不良さんを探すというミッションでした。

わたくしの通う白華中学校は、不良さんという危険と隣り合わせの方たちとは縁遠い、平和な学校なのです。学校区域も街からは遠く、皆さん車で送り迎えされていますの。
かくいうわたくしも、専属の執事である粟嶋(あわしま)が毎日の送り迎えをしてくれていますわ。
ですから不良さんという方々とお会いする機会は今まで無かったのです。

わたくしは困ってしまって、思い切って夏乃子ちゃんに相談しましたの。
そしたらビックリ!
なんと夏乃子ちゃんのお兄様が不良さんだという事がわかりましたの!

え?なぜ幼馴染なのにお兄様の事を知らなかったのか、ですって?
それは、夏乃子ちゃんがお兄様の事を『ヤンキー』と呼んでいて、その時のお兄様が髪を金色にしていたのでそう呼んでいたのだと思っていたからなの。

『ヤンキー』が『不良』の事を指すと知ったのは、本当に最近の話。

そしてわたくしは、蘭海高校に行けば不良さんがたくさんいるという情報を得ることが出来たのです!
本当にハッピーな気分だったわ!

 その日の放課後、わたくしは善は急げとばかりに蘭海高校へと向かったのです。
やっと、不良さんと出会う事が出来るのだわ!わたくしの胸はその瞬間を想像してドキドキと高鳴っていました。