若いから調子に乗るってどういうこと?


紺野先生は何も悪くない、私が勝手にあやふやな理由で好きになっただけだ。


「本当に申し訳ありません。」


「待ってよ、ちゃんと聞いて?確かに同居してるし交際もしてるけど、勝手に好きになったのは私なんです。だから先生を責めないでください。」


「中川さん、そうは言っても責任をあなたに全て取らせて辞めさせたりはできないんだよ。」


九重先生、普段はもっとのろのろ話す癖に、こういうときだけ詰め寄るような早口になる。


「お願いなんです、本当に何でもします。保護者の皆さんの前で私が説明するし、私が学校退学になっていいです。だから先生は……」


「無理だって言っていますよ、いい加減に聞き入れなさい。」


「でも、先生は悪くないから、お願いだから私を退学にしてください……!」


「月葉、そんなに泣かなくていいから。こうなってしまった以上、もちろん全て僕の責任です。」


さめざめと泣く私をよそに、紺野先生は校長先生に向けて退職願を出した。


そんなもの、いつの間に書いていたんだろう。


それを見てもっと悔しくなって、感情が荒くなる。


思わず私はそれを破ってしまった。


「だめ!先生が辞めるのは私が許さない!お願いだから、本当に私を……」