「なぜここに呼ばれたかもうご存じでしょうが、お2人がどんな関係か話してもらえますか。」


「はい。僕と、中川さんは今年の4月、新学期が始まってすぐに同居を始めました。そして今は交際しています。」


淡々とそう言う先生にちょっと私はびっくりした。


隠しても意味ないだろうけど、普通もう少し動揺したりしない?


「交際って、あなたと中川さんがどういう立場にいるかわかっているんですか?」


校長先生は冷えきった眼を紺野先生に向けた。


そんな、私を責めればいいのに、なんでそんなに紺野先生に強く当たるの……。


「理解はちゃんとしていました。ただ単に、僕の責任の意識が低かったせいです。親御さん方にもしっかり説明させていただき、辞職します。」


「は、ちょっと待って、先生がやめる必要ないです。私が学校辞めます。それでどうか許してくれませんか?」


許されないってわかってるし、絶対紺野先生は私を辞めさせないってわかってる。


けど、感情的になるとどうしても気持ちから出た言葉は止められない。


「何言ってるの?月葉のせいじゃないんだから、黙ってて。」


「どう説明なさるおつもりですか?大体、若いからって調子に乗って。そんなだから生徒になめられるんですよ?」


教頭先生の嫌味な言葉が私を腹立たせた。