「え?何?」


「あの、紺野先生は私の何を、どこを好きになってくれたんですか?」


「ゴホッ、ゴホ……え?ごめんパンが気管に……。」


なんかめちゃめちゃ動揺してるんだけど……。


「うーんとね、あのね、何て言えばいいんだろう。ちょっと失礼かもなんだけどね……。」


「し、失礼?そんな理由なんですか?」


「いや違う。あのね、俺月葉の図太いところが好きなの。」


「はぁ?」


図太いところ?


私そんな風に思われてたの?


「ひ、ひどくないですか、紺野先生。」


「いや、ちょっとひどいんだけど、でも月葉の性格を好きになったのは本当だよ。じゃあ逆にそっちは?」


「え、私ですか?えー何だろう……。柔らかいとこ?」


「どういう意味?俺太ってるかな?」


さっきからお互い語弊が多い気がする。


でも表現力は私の方はこれで精いっぱい。


言葉遣いも、雰囲気も、優しさも、全部柔らかいところ。


「まぁいいや。こんな風に真面目に向かい合って話すことなかなかないもんね、いい機会だ。」


「確かに。こうやって話せるだけですごい嬉しいです。」


明日が学校でどうなるのか、今の私には知る由もなかった。


この先の私と紺野先生がどうなってしまうのか、想像することすらできなかった。