「月葉、持ち物全部大丈夫か?」


「はい、だいたいOKです。」


こうなったのはあの合コンとか旗本先生とか、色々あった夏休み初日。





「え?」


別荘持ってるの?紺野先生が?


「そう。海のそばなんだよね。海鮮美味いし食べに行こ。」


確かに、海鮮が美味しいのは魅力的。ちょっと食べに行きたいなぁ。


「で、海のそばだしせっかくだから泳ごうよ。」


それって私の水着姿という醜態を現さなくちゃいけないの?





とか何とか文句は言いつつも海鮮につられて別荘へ行く準備をしてやってきた。


電車だと人目に付くし、私たち2人もせっかくならゆっくりしたいというわけで車で行く。


先生の車はクリーム色の丸いボディが可愛らしいデザインで、若さを感じる。


偏見かもだけど、若い人ってこういう色にしがちじゃない?


ここからは私も先生と2人旅なんてことは忘れて旅行気分で行きたいし、助手席に座った。


午前11時というルーズな時間帯に出発したと言っても混んでいる。


まずはコンビニによって飲食物を手に入れた。


「月葉紙パックのミルクティーか。女子高生らしいな。」


どんな偏見だよ、と思うけど実際に女子高生はよく飲むイメージだ。


「月葉は学校楽しみ?」


「いえ、全く。」