どうしちゃったんだろう……絶対引っかからないと思ってたのに。


でも続けなきゃ行けないのでとりあえず起き上がって進んでいく。


なんとか、ゴールまでは行ったけど断トツのビリだった。


でも、ぼっちでいじりにくいのか、誰も私のことを指摘する人はいなかった。


それよりも、1番対策してきたハードルで転ぶなんて……とそれが1番不可解だ。


水道まで行って、怪我をして汚れた膝を洗い流してから保健テントまで行った。


「あ、中川さん怪我してたよね。大丈夫?」


そう声をかけてくれたのはあの正統派王子様の旗本先生。


優しくて本当に保健室の神様だな、と思った。


この人と紺野先生が揃って二大巨頭なのが不思議なくらい、旗本先生の方がモテそうだ。


「あんなに練習してたんだけどね、ハードル飛ぶの難しいよね……。」


私が練習してたことまで知っててくれたんだ。


優しい……。


つくづく紺野先生との違いを実感する。


「おぉ、月葉大丈夫?」


流血した血を旗本先生に手当してもらっていると、呑気な声が聞こえた。


「大丈夫です。すみません、私のせいで。うちのクラスのほかの競技は大丈夫そうですか?」


「最初の方だけめっちゃ応援したから。」


最初より最後の方が重要だと思うけど。