「何?今日やけに褒めてるけど、あそこら辺に並んでたブランド物のコフレとかは買わないよ?」


「別に私そういうの興味ないのでいいです。ただ、しばらく会えなかった分紺野先生としゃべる話題をつくりたかっただけなので。」


そういうと、紺野先生はちょっと視線を逸らした。


これ、絶対照れてる。


料理はどれもおいしかったけど、スープ、メインディッシュ、デザートとどんどん運ばれてくるのがこの食事の時間が終わってしまいそうで嫌だった。


「先生、まだお昼時ですけど、午後はどうするんですか?」


「うーん、どっかデートしに行こうか。」


そう言ってくれて、私は極力ゆっくり食べていた手を速めた。


食べ終わって、食後のコーヒーを飲みながら、午後の行き先について話した。


「美術館、映画館、プラネタリウム、水族館、どこにしたい?」


「じゃあ映画館で。」


1番長く紺野先生の横顔を眺められそう。


という理由で決めたことは秘密にしとこう。


ずっと制服だとさすがに怪しまれるということで、1回家で着替えてからまた映画館に行った。


映画の席に着いてから、しばらく広告が入って、ようやく本編が上映された。


大人っぽい恋愛映画を選んだので、終始ドキドキが止まらなかった。