自由に気ままに過ごしていくのがやっぱり私に向いている。


こうしていると、今まで学校に通っていた時よりも、髪の艶が良くなって、お肌も心なしか綺麗になっていた。


ストレスため込んでたんだなと身を持って知った。


ただ、紺野先生に会えないことが辛くて、『卒業後に会えなくなってもいいの?』しか返ってこないトーク画面を何度も見返してしまう。


それでもやっぱりメッセージを送るのがやめられなかった。


紺野先生との唯一のつながりだもん。


一方的でいいから私の気持ちが伝わっていてほしい。


家に到着してから、1人でアイスを食べながらドラマを見始めた。


お母さんもお父さんも、国内にいるからと言って家にいるわけじゃない。


もちろん毎日のように出かけては夜遅くに帰ってくる。


私は、紺野先生との同居で鍛え上げた料理スキルでお母さんとお父さんの帰りを待っていた。


ドラマの中に出てくるような、専業主婦とサラリーマンの家庭じゃなくて、毎晩一緒にご飯を食べられるような環境じゃないけど、私は両親のことが大切。


2人とも変わり者だけど、私のことを愛してくれているのがすごくわかる。


あ、そういえば鈴谷先生に言われた卒業文集のやつを書かないといけないんだった。


ほとんど使わない勉強机に向かってペンを持った。