両親の仕事について尋ねたのは初めてだったかもしれない。


改めて、2人がすごい仕事をしていることについてはわかった。


ご飯を食べ終えて、お風呂を沸かしながら、3人でテレビを見ていた。


何だか先生とくっついてドラマを見ていたのが懐かしい。


ちょっとドキドキするようなシーンは、私の鼓動が高まってくのがわかって、それが紺野先生にバレないか心配してた。


あぁ、それがなくなった今、ものすごく寂しい。


「月葉、お風呂が沸いたから先に入っていいわよ。」


「うん、ありがとう。」


1人浴槽につかる時間はいつも20分くらい。


束ねた髪の毛から垂れるしずくが肩にあたると冷たい。


私の感情もちょっと冷えている感覚だ。


「はぁ……。」


ちゃぷんという湯船の音に、私の疲れたようなため息が混じった。


今頃、紺野先生は何してるんだろう。


一緒に住んでなくても、ずっと紺野先生のことを考えてしまう。


私はまた、1人涙を湯船に落としてしまった。