「本当に、ごめんなさい。2人に迷惑かけるようなことばっかりで。」


「いや、いいよ。最初に聞いたときはそれはもう怒った。けど、月葉がそこまで言う先生だもんな。そりゃいい人だよ。」


お父さんが軽く笑いながらそう言った。


「お母さんも、月葉の幸せを世界1願ってるんだから。」


両親の帰国は、私が思っていたよりも感動した。





休日、私と両親と3人で学校に向かった。


先生たちとお話をするために。


通されたのは客室で、私たちは並んでソファーに腰かけた。


もうずっとうつむいていようかな……。


目の前に座るのは校長、教頭、それから紺野先生。


その話の時間は私が生きてきた人生で1番長く感じた30分だった。


どんなに眠たい数学も、どんなに暇な休日も、こんなに長く感じたことはない。


「この度は、誠に申し訳ございませんでした。」


紺野先生、珍しくスーツ着てるな。


当たり前の服装なんだろうけど、珍しくてちょっとドキッとときめいてしまう。


今日会うまでの数日間、私は学校に来ていなかったから。


紺野先生も多分体育の授業をしたり、担任としてホームルームをしたりはしていないと思う。


「私はこのことを問題と捉えているわけではありません。でも、親御さん方には説明されますよね?」