「けいたくん・・・。本当に覚えてないの?」



真っ赤なめがねをしたくまが言いました。


「うん。」


けいたくんの瞳は『嘘』をついているようには見えませんでした。


けいたくんがうなずくとみんな驚いたというか・・・困ったというか・・・そんなわけのわからない表情をしていました。


みんなひそひそ話しはじめました。


「赤いめがねのくまさん。どうしてみんなそんな表情をするの?」


けいたくんは不思議になって聞きました。



「けいたくん。これからはなすことは全部本当の話だからね・・・」


「うん」


うなずいたけいたくんの顔は真剣でした。



「けんたくん。けいたくんにはね、まどかちゃんというかわいいフィアンセがいたんだよ。」


けいたくんは驚いた表情で問いました。



「僕に・・・フィアンセ?」


赤いめがねのくまはうなずきました。