「けいたくん。君はもしかして・・記憶がないんじゃないかな・・・」


時計をぶら下げた真っ黒なウサギが言った。


「記憶・・・?そうかもしれない・・・。なぜか・・・ここの場所と、名前だけが思い出せないんだ・・・」



時計も分かる。


ウサギも分かる。


動物も分かる・・・。



けいたくんに関する記憶がなくなっていた・・。


「ゆっくり思い出そう・・・。」



「まどかちゃんのことは覚えてる?」


真っ白なポンチョを着たウサギが言った。



「まどかちゃん・・・?誰?それ・・」


僕が言うと動物はいっせいに顔を青ざめた。


「まどかちゃん・・・その子は・・・一体誰なの?」