顔面温度を下げたくて、手の平をウチワがわりにパタパタ仰いでいた私。

 何が面白かったのかな?

 環くんは目を細め、クスクス笑っている。


 ん?と、私が首をかしげた直後

「俺がなごみのことを、嫌いになれると思うの?」だって。


「大好きでたまらなかったよ。幼稚園の頃からずっとね」


 長いまつ毛ががかかる瞳を優しく揺らしながら、頭を撫でられちゃった。


 これには、私の心臓がノーダメージではいられなくて。

 脈までカタカタと駆けだし始めちゃって。


 3年間そっけない態度をとられ続けてたんだもん。

 王子様に優しくされる免疫なんて、とっくになくなってるよ。


 胸キュンの許容範囲が、ギュインって超えちゃいそうで。

 幸せを取り込み過ぎで。

 心停止しないか、自分の体を心配せずにはいられない。