もうすぐお弁当をもって、美和ちゃんがこの教室に来てくれるはず。
短時間だし、わざわざ音楽を聴くのはちょっと。
かといってクラスメイトに話しかけになんて行ったら、会話が盛り上がっちゃうかも。
私とお弁当を食べようと別のクラスから来てくれた美和ちゃんを待たせるのも、申し訳ないし。
なんて悩んでいる間に、とあるクラスメイトの横顔が私の瞳に映った。
私と同じ窓ぎわで、一番前の席に座っている男の子。
彼と私の間には、4人分の机があるんだけど。
誰一人、席にはいない。
視界を遮るものがないせいで、私の目は彼をとらえることができてしまう。
……環くん。
彼から目を離したくない。
でも、見つめているなんて誰にもバレたくない。