もういい、諦めた。

 幼なじみ特権で二人だけの世界を作って笑い合っていた、あの頃に戻りたかったけれど、そんな願いがかなうはずなんてない。


 顔も見たくないほど、環くんに嫌われてもいい。

 私を好きになってもらえる可能性は、どうせ0パーセントなんだ。

 仲良し幼なじみの絆を、今この場でぶった切ってあげる。

 私の心の闇を更にぶちまけて、環くんが二度と私に関わりたくないと思わせてあげる。


 涙でぐちょぐちょな私の顔。

 さらに醜くなるとわかっていながら、私は目も眉も吊り上げた。

 敵意を突き刺すように、大好きな人の顔をギリっと睨みつける。


「私は修也くんを突き落としてなんかない! ケガをさせようだとか、修也君の未来を奪おうなんて思ったことなんてい一度もない!それなのになんで信じてくれないの? なんで環くんは、修也くんのご家族に私がそんなことしてないって言ってくれないの? 事故の時に一緒にいたのに…… 環くんだけには、かばってもらいたかったのに……」

「えっと、待って。話が見えないんだけど……」