修也くんの事故は私のせいだって、反省しているよ。
 
 だから毎日、こうやって修也くんのお見舞いに来てる。


 でもね、環くんだけには味方でいて欲しかったの。

 思っていなくてもいい。

 形だけでもいい。

 『雨の日の転落事故は、なごみのせいじゃない』

 私の心の傷をふさぐように、慰めて欲しかったの。



 涙が製造されそうになっている私に、環くんは気づいたんだろうな。


「修也に会いに来たんじゃないよ」


 対面状態でこぼしてくれたのは、優しく揺れる穏やかな声。

 幼なじみとして隣を陣取っていた頃が急に恋しくなって、あの頃の環くんは私に優しかったなって過去が羨ましくなって、よけいに鼻がしらがツンとうずく。


「じゃあ……花音ちゃんと待ち合わせ……?」


 語尾を弱らせながら、うつむいた私。

 今にも泣きだしそうな顔なんて見られたくない。