平日は毎晩のように修也くんの病室に顔を出しているのは、私なりの罪滅ぼし。

 ではあるものの……正直しんどくてたまらない。


 事故の全貌を、私は修也くんのご家族にも警察にも話したけれど。

 信じてくれたのは警察だけ。

 修也くんのご家族は、私が修也君を階段から突き落としたと思い込んでいるんだ。


 なぜって?

 事故のだいぶ前から、修也君はご家族に伝えていたんだって。

 『付き合っている彼女がいる。同級生の雨宮なごみちゃん。彼女から告白してくれたんだ』って。

 私との架空デート話まで、声を弾ませながら語っていたんだとか。


 だから私が、環くんに告白した事故直前のことを修也くんのご家族に話した時


 『修也と付き合っているくせに、浮気なんて酷いじゃない!』

 『邪魔だったから、修也を階段から突き落としたんだな!』

 
 私はいきなり、濡れ衣を着せられ


 『こんな女に騙されて、うちの修也が可愛そう』

 『修也が一生目覚めなかったら、どう責任を取るつもりだ!』


 容赦なく怒鳴られ……


 だから今は、ご家族が面会に来ない時間を選んで、私は修也くんの病室に通っている。