3年前の土砂降りの日、図書館の軒下で私は環くんに告白をした。

 『ごめん。今のキス、そういうつもりじゃないから』

 と、速攻フラれたんだけど……

 修也くんが隠れて見ていたんだ、私の告白の一部始終を。

 
 そして私と環くんの前に現れた修也くんに、泣きそうな顔で問い詰められた。


『なごみちゃんって、僕のことが好きなんじゃないの?』って。



 予想もしていなかった発言。

 驚きが強すぎて、思考が追いつかなくて。

 環くんにフラれた直後で、ショックを和らげようと脳がボヤボヤしていたせいもあるかもしれない。


 あれ、私って環くん以外を好きになってことはないよね。

 それに修也くんは、知っていたんじゃないの?

 私の想い人は、珠須島環くんだって……


 苦しそうに顔を歪める修也くんを見つめたまま、私は大パニックに。