「なごみさん、あんたね!」

「?」

「私が修也に会いに来てるって、みじんも思わなかったわけ?」

「……っ、ごめんなさい」


 仕事に行ったと思ってしまい……

 それに私はエスパーじゃないので、他人の行動は読めないです……はい。


「それに、なにその格好」

「学校帰りなので、制服のままですが……」

「あっ、そういうことね。高校に行けない修也を傷つけたくて、わざと制服で会いに来たんでしょ」

「そっ、そう言うわけでは」

「あなたってほんと、地の性格が醜くすぎ。あなたが吐き出した空気を吸い込んでるかと思うと、吐き気がする。ほんとうにイヤ」


 般若みたいな怒り顔で、私の胸元のリボンを掴まれてしまいましたが……

 家に帰らず直行しちゃった私の行動が、まさかの逆鱗に触れてしまうなんて。

 
「あんたさえいなければ、うちの息子が眠り続けることなんてなかった!」

「……」

「ほんとうだったら修也は今ごろ普通に高校に行って、私達家族と幸せな時間を過ごしていたはずなのに!」