「あぁぁぁもう、なんで今日はこんな早くに来たのよ!」
 

 ……うっ、、、怖い。


「今日は仕事が休みだから、ゆっくり親子水入らずで過ごせると思ったのに。私に対する嫌がらせ? そうなんでしょ! 絶対にそう! 間違いないわ!」


 場所をわきまえているのか、人目を気にしているのか。

 女性は声量を抑えたまま、ドスのきいた声を私にぶつけ


「あんたなんか顔も見たくないの! この世から消えてちょうだい!」


 私を恨み殺したいと言わんばかりに眉を吊り上げ、ギロっと睨まれてしまいました。



 平日は15時から仕事があるって聞いていたので、あなたと鉢合わせしない時間を選んでここに来ているんですが……


 なんて言い訳をしても、この人の良心には届かないんだろうな。

 どれだけ優しい言葉を紡いでも、謝罪の念を伝えても、無意味なのは経験済み。

 この人の脳内フィルターを通り過ぎると、私の声は全て、罪人のぼやきに変換されるみたいだから。