修也くんのことだって、一人では抱えきれない。

 私にとって3年前のフラッシュバックは、残酷なんだよ。

 悪夢が蘇るたびに、心臓にナイフを突き刺されたような痛みが走るの。

 激痛なの。毎日襲われるの。ほんと無理なの……


「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 
 過去の罪が刃となって、鋭く私の良心に刃先を突き刺してくる。

 しゃがみながら目も耳を塞ぐ私。

 何度謝っても、必死に謝罪の言葉を連呼しても、誰も過去の私を許してはくれない。


 環くんが、私の背中をさすりながら何かを訴えている。

 でも……

 自分の嗚咽と喘息のような荒い息づかいが、大爆音で私の鼓膜を揺らしていて、大好きな人がつむぐ言葉を私は理解できない。


「私が地獄に落ちればよかったのに……修也くんの代わりに……」


 涙でぐちゃぐちゃな顔。

 手でぬぐうこともせず、私はバタバタと写真部の部室を飛び出した。