ガツンと脳に衝撃が走る。

 写真の下に貼られている紙を、食い入るように見つめてしまうからだろう。

 病院で診察レベルなほどに、呼吸が乱れてしまうのは。



 【撮影者・珠須島環】



 えっと、これは……


 倒れそうなくらい小刻みに震え出した、私の体。

 つま先から駆け上がる悪寒が、私の顔に無数の絶望線を刻みつけていく。


 そっか、そういうことだったのか。

 3年前の土砂降りの悪夢の日以降、環くんが私を無視するようになった理由。


 なんだ、言ってくれればよかったのに。

 『俺はなごみを恨んでいる』

 『大嫌いだから、俺の前から消えて』

 そう、大声で私を怒鳴りつけてくれればよかったのに。


 そしたら私も、捨てさることができたかもしれない。

 今も膨らみ続けている、環くんへの恋心を。