「雨宮と日向(ひゅうが)は、ただの友達だよな?」

「私となごみは親友だけど、それがなに?」

「日向こそ痛い女だなって思って」

「は?」

「親友を恋人みたいに独占しないと気が済まない、ネチョヤバな嫉妬魔にしか見えないんだけど」

「今なんて言った?」

「いつもいつも、俺の邪魔ばっかするなって言ってんの!」


 あわわわわ、どうしよう……

 私の目の前で、二人の口喧嘩がヒートアップ。

 頭を冷やさせないと……


 どうにかしなきゃと焦れば焦るほど

 「あの…」「えっと…」くらいしか、私は言葉が出てこなくて。

 美和ちゃんと黒川君を順番に見つめては、髪が小刻みに揺れるほどオロオロオロ。


 その時――


 ガサガサ、ザザザザー!