「……あっ」と、唇に手のひらをかぶせる私。

 美和ちゃんはいじめるよう私を見つめてニヒヒ。

 ワルっぽく微笑みながら、私の髪を指ですくってきた。


「なごみの真ん丸な瞳が、ユルってタレ目になった。この子はほんと、うさぎ並みに可愛いんだから」


 うさぎ? 

 キュートアニマルランキングで、いっつも上位入賞の?

 可愛い基準、親友にだけ甘々すぎじゃないかな?


「私のことを可愛いなんて言うの、美和ちゃんしかいないし……」

「そりゃーまー、生ぬるい覚悟で美和に告ろうとする奴を、私が威嚇して蹴散らしてるからね」

「えっ、今なんて? よく聞こえなかったけど」

「イヒヒ、なんでもない」

「もしかして、私へのディスだった?」

「違う違う」

「じゃあ?」

「なごみへの愛をポエムにして呟いちゃったから、恥ずかしすぎて言えないだけ」


ぷっくりした唇に拳を当て、クスクス笑ってるけど……


「ポエムって……本当かな?」

「そんなことより」

「あっ、美和ちゃん、話をそらした!」