そっかそっか、態度に出ちゃってたか。

 ここは教室。

 クラスメイトの目がたくさんある。

 ちゃんと気をつけなきゃ……って。

 ……ん?


「ひゃっ!」


「アハハ、なごみの顔が一気に真っ赤になった」

 ヤバっ、急に恥ずかしさがこみ上げてきちゃった。

 椅子に座る美和ちゃんが、私の顔の前で人差し指をグルグル回したりなんてするからだよ。

 
「私の異変を見つけてもスルーしてよ、美和ちゃん!」

「なごみが、胸にかかった毛先をフルフル揺らしながら焦ってる。アハハ、可愛い~」

「たたたっ、環くんを見てたとか……そういうんじゃなくて……ぐぐぐ、偶然視界に入っただけで……」

「せっかく私が小声で話してあげてるのに、なごみがオーバーリアクションしたら意味ないでしょ。みんなに会話が聞かれちゃうよ」