大きく伸びをしている竜二は話し合いの最中ずっと寝ていて、今起きたところだった。
「全然話聞いてなかったくせに、よく言うよね」

私は呆れて竜二の脇腹をつついた。
ちょっとは健太を見習って真面目に参加してほしい。

それから4人でおしゃべりをしながら昇降口へと向かう。

少し前までグラウンドでは部活動をする声が聞こえてきていたけれど、図書館が閉まる時間になるともう誰の姿もない。

そのグラウンドを突っ切って行かないと校門へはたどり着けない構造になっている。
「毎日毎日、図書委員の仕事ってなにかしらあるよなぁ」

竜二が頭の後ろで手を組んで言う。
「カウンター業務があるんだから、仕方ないでしょ」

「それにしても毎日やる必要があるかぁ?」
本にあまり興味のない竜二はさっきから不満タラタラだ。

それでも先に帰宅せずに一緒に委員会へ出ているのは、やっぱりこのメンバーで一緒にいることが楽しいからだと思う。