「外へ逃げよう!」
叫んだのは健太だった。

今まではグラウンドの中だけだったから、校門から外へ出たらどうなるのかわからない。

もしかしたらピエロが諦めるんじゃないかという期待もあった。
だけど私達が校門を抜けて走り出すとピエロもそれについてきたのだ。

「くそっ。外に出ても無意味か……」
走りながら健太が悔しそうに呟く。

街の中を見回してみても人の姿はなく、行き交う車も今は見えなかった。
誰もいないなんてどう考えてもおかしい!

「家の中に逃げてみよう!」