☆☆☆

職員室の前に到着した私と綾は深呼吸を繰り返した。
普段は職員室に入ることに抵抗ないのだけれど、今回ばかりは緊張してしまう。

どうやって先生に説明すればいいか考えたけれど、結局出来事を素直に説明するしかないという意見に落ち着いていた。

「行くよ?」
隣に綾に言うと、綾はゴクリとツバを飲み込んで頷いた。

私は右手を伸ばして2度ドアをノックする。
すると一番手前の席の男性教員がドアを開けてくれた。

「やぁ、誰か呼ぶ?」
若い先生はそう言って笑顔を見せてくれた。

「2年A組の先生をお願いします」