あのピエロなら、バラバラになってもおかしくなかった。

「僕と竜二はバッドを調達してくるから、千夏と綾は今までの出来事を先生に話してきてほしいんだ」

「先生に?」
綾が聞き返す。
人形が襲ってくるだなんて、誰も信じてくれないはずだ。

「あぁ。ダメ元でいい。どうせ信じてもらえないから。だけど普段真面目な女子生徒からの相談ならちゃんと最後まで聞いてくれて、気にかけてくれるかもしれない」

「そっか。とにかく先生の耳に入れておくんだね」
私が言うと、健太は頷いた。

誰か1人でも大人の人が知っていれば、いざというときに対応してくれるかもしれない。

ピエロが出現したときに誰もいなくても、今日みたいに出現前から準備するのを手助けしてくれるかもしれないし。

「わかった。それなら早く行こうぜ」
竜二の言葉を合図に、私達は二手に分かれて教室を出たのだった。