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その後私は竜二は図書室へと戻ってきていた。
自由に使えるパソコンがここにならある。

健太もカウンター業務をもう1人に頼んで一緒に映像を確認することにした。
見る日付と時間は決まっているから、そんなに時間もかからない。

「誰もいない……?」
流れてくる映像は灰色の屋上が写っているだけで、そこには誰の姿もない。

先生が言っていたようにグラウンドまでは写っていなくて、そこで自分たちに起こっていた出来事も記録されていなかった。

ちゃんと2日分確認したけれど、どちらにも不審な人物の陰はなかった。
「屋上じゃなかったか、それとも遠隔じゃないのか……」

健太がまた考え込んでしまった。
結局考えは振り出しに戻ってしまい、私は落胆しながらUSBを職員室へと返しに行ったのだった。