ピエロが出てくるのは委員会の仕事が終わった後なんだから。
「しっかし、あのピエロは一体なんなんだろうな? 遠隔操作で動いてるとかか?」

竜二が持ってきた本のページを開いて確認しながら言う。
古くなった本の中身を確認して、破れなどがあったら修復するためだ。

私も本に手を伸ばして作業を手伝う。
「わからない。遠隔操作だとしても、あんな風に動くかなぁ?」

ピエロが顔を傾けたときに妙なねじれ方をしていたのを思い出す。
タイヤだって、本当はまっすぐに進まないから無理やり方向転換していた。

遠隔操作できるオモチャなら、もっとスムーズに動くと思う。

「あのピエロを操ってるヤツがいるとすれば、許せないよな。綾は本当に怪我したんだからさ」