竜二が両手に抱えるくらい一杯の本を持って戻ってきた。
「大丈夫か? まだ綾のこと気にしてんのか?」

本を台に置いて聞いてくる竜二に私は頷く。
「図書委員の仕事も綾抜きになっちゃったし。本当にごめん」

「気にするなって言ったのに」
ため息交じりの竜二はちょっとだけ呆れているみたいだ。

だけど全く気にしないなんて無理だった。
どう考えても私がみんなを巻き込んでしまっているんだから。

「さっき綾からグループメッセージが届いたけど、無事に家に帰ったってさ」
「そっか。それならよかった」

誰もいないところで綾がピエロに襲われるようなことはなかったみたいだ。
だけどまだ安心はできない。