☆☆☆

放課後になる頃には綾も少しは私と会話してくれるようになっていたけれど、今日は1人で早めに帰宅してしまい、図書委員会の仕事をしに来たのは3人だけだった。

「水野さんはどうしたの?」

図書の先生に質問されて健太が「家の用事があるみたいで、先に帰りました」と、説明していたのが心苦しい。

今日は
人手が1人分足りない状態での仕事になるのが申し訳なかった。

昨日は綾と健太にまかせていた掃除を、今日は私と竜二のふたりでやる。
健太は他のクラスの子と一緒にカウンターに座っていた。

「はぁ……」
ため息を吐き出してつい、手を止めてしまう。